セルビスやさしいストーリー『温かい手』

<作者:(株)セルビスサービス 津田広美>

寒さも一段と厳しくなる一月のとある日に、ご担当させて頂いたのは故人かずお様。
その方のご家族は奥様のみちこ様ただおひとりでした。

セルビスでは、ご遺族の、ご家族に納棺式をお手伝いして頂きます。みちこ様にもご主人の手を柔らかく温めるのを手伝って頂きました。ゆっくりと一緒にご主人の手を温めていると、みちこ様が重たい口を少しずつ開いてご主人の事をお話し下さいました。

ご主人は大工さんでした。とても器用な方で、自宅も家具も全てご主人がお造りになられたとのこと。そして、とても仲の良いご夫婦だったそうで、どこに行くのもお二人一緒だったそうです。
「寂しいね・・・」涙をぽとぽとと流しながらそうおっしゃっていました。

葬儀も無事に終わり、ご自宅に四十九日までの後祀りに伺いました。ご主人の御遺骨・お写真に手を合わせ最後の挨拶の際、みちこ様が「ありがとうね。いいお葬式にしてもらったわ」「一緒に手を温めて、固くなった手を柔らかくしてくれて本当にありがとう」と言って、涙ながらに私の手を持って今度はみちこ様が私の手を温めてくださいました。

「夫は、冬場によく私の手を温めてくれていたのですよ。そして、その手でたくさん私は支えられてきました。そのお返しができて、また、他人の手を家族同様に一緒に温めて下さったことがとても嬉しかった」と喜んで頂きました。我々が携わる葬儀のお仕事は、人と人との優しさ・あたたかさを大切にすること。これからもセルビスにできることを大切にしていきます。

※セルビスグループ共栄会主催
セルビス やさしいストーリーコンテスト入賞作品


お客様や従業員、お取引先の方々が、セルビスグループの商品・サービス・仕事を通して体験した、やさしさにふれて心あたたまる物語を集めたコンテスト。沢山の物語の中から、入賞作品を1つご紹介します。

※セルビスグループ共栄会とは

セルビスグループのお取引先約140社で運営している協力業者の会です。