セルビスやさしいストーリー『最後の映画館』

<作者:(株)セルビス 大谷 圭司>
その日のお葬儀は午後からのお式で、午前中は比較的時間の余裕もあったことから、早々に故人様には式場にお越し頂き、生前お好きだった映画「駅馬車」の上映を行いました。
奥様、喪主をされたご長男様、お孫様…。誰も故人様がお好きだった「駅馬車」を観たことがなく、「古い映画やけど、今見ても普通におもしろいなぁ」 「おじいちゃん、こんな映画好きやってんなぁ」など、様々な感想を言いながら、それまで恥ずかしいという気持ちもあったのか、あまり故人様に声を掛けていなかったご遺族の皆様が、「おじいちゃん見えてるか?」 「こんな面白い映画、もっと早く教えてや」と沢山の愛情に溢れたお声掛けをされていました。
奥様も、夫婦二人で映画を見に行くことはあまり無かったそうですが、「今日はおじいちゃんに映画館に連れて来てもらったみたい。ありがとうなぁ」と涙ながらにお柩のご主人に声を掛けていらっしゃいました。
その日の式場は、いつもの葬儀会館ではなく、ご家族貸切の素敵な映画館でした。

※セルビスグループ共栄会主催
セルビス やさしいストーリーコンテスト入賞作品
お客様や従業員、お取引先の方々が、セルビスグループの商品・サービス・仕事を通して体験した、やさしさにふれて心あたたまる物語を集めたコンテスト。沢山の物語の中から、入賞作品を1つご紹介します。
※セルビスグループ共栄会とは
セルビスグループのお取引先約140社で運営している協力業者の会です。