セルビスやさしいストーリー『仲良しなお爺ちゃん、お婆ちゃん』

<作者:(株)セルビス 東谷 英世>
13年前の6月、葬祭ディレクターをしていた時のお話です。
お亡くなりになられたのは、80歳くらいのお爺ちゃんでした。
娘様とお葬儀の打ち合わせをしていると、病院からお爺ちゃんに引き続きお婆ちゃんもお亡くなりになられたとのお電話がありました。
突然のお別れでご家族の方々全員が深い悲しみに包まれていました。
しかし、お二人並んでご安置させていただく様子をみて、家族の方が全員で「生前から仲良しだったから一緒に旅立ったのよ」となんだかその場が明るくなっていました。
その会話を聞き、1つの式場でご一緒にご安置させていただき、遺影写真は、本来お一人ずつですが、お二人が一緒に写っているとても素敵な笑顔の写真を置くことを提案しました。
お二人の遺影写真は「いい写真ね。生前仲が良かったもんね」との声をたくさんいただき、お参りに来られた方も悲しみの中になんだかほのぼのと温かいお通夜が進んでいきました。
翌日のお葬儀でも、通常お一人しか乗車できない霊柩車に、事前に棺のサイズを測り、一番車内が広い霊柩車にお二人一緒に乗棺していただけるようにして、最後の最後まで離れることはありませんでした。
娘様には「ありがとう、本当にありがとう」と仰っていただき、何度も嬉し涙を流され、お見送りの方々もお二人に向け「あんたら幸せやねえ」とお声がけをされていました。
そして斎場にも前日に連絡を入れ、火葬炉もお隣、お骨上げも特別に同じお部屋で二人同時にして頂くようにお願いしておりました。
本当に最後の最後までお爺ちゃんお婆ちゃんが離れることなく一緒に過ごして頂けたかと思います。
きっと、これからも仲良くご家族の幸せを見守られていることでしょう。

※セルビスグループ共栄会主催
セルビス やさしいストーリーコンテスト入賞作品
お客様や従業員、お取引先の方々が、セルビスグループの商品・サービス・仕事を通して体験した、やさしさにふれて心あたたまる物語を集めたコンテスト。沢山の物語の中から、入賞作品を1つご紹介します。
※セルビスグループ共栄会とは
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